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企業案内

● 所在:山形県天童市

● 開園シーズン

○ サクランボ狩り:6月上旬~7月中旬

○ ブドウ狩り:8月上旬~10月中旬

○ リンゴ狩り:10月上旬~11月中旬

● 栽培面積と果樹本数

○ サクランボ:7,000m², 約190本

○ ブドウ:2,500m², 約40本

○ リンゴ:2,400m², 約30本 合計:約2ヘクタール、計260本

 

● 加工品・・・無添加100%のオリジナルジュース

○ リンゴジュース(紅玉こうぎょく, 王林おうりん)

○ ブドウジュース(デラウェア, スチューベン, マスカット)

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元祖天童観光果樹園について

〈基本情報〉

● 60年以上の歴史がある、山形県で最初の観光果樹園

● 「果樹王国やまがた」の名をもつ山形県に位置する

● 山形盆地→昼夜の寒暖差が大きく、甘い(糖度の高い)果物ができる

● 幼稚園や小中高生の研修旅行等向けに、「五感で学ぶ農業体験講座」を開催

 

◎サクランボについて

● 「赤い宝石」と呼ばれ、限られた時期にしか食べられない貴重品

● 贈答用が多く、山形に住む人でさえ、おすそ分けでしか食べられないような嗜 好品

● 驚くほどの手間がかかり、年間を通して管理作業をしている

 

◎栽培上の特徴

● 米ぬか・牡蠣殻での土づくりにより、深みのある味に

● 若いうちに実を間引きし、残った実に栄養を集中させて大粒生産

果樹生産のひみつ

1. 日本の栽培果樹について

○ 日本の農地は大きく、田と畑に分けられる。

 ■ 水源地や用水路が整備された場所→田(稲作)

 ■ 水が得られにくい場所→畑(小麦などの穀類、野菜、果樹など)

 ■ 畑の中でも、水はけのよい場所=扇状地→果樹生産が盛ん

  ● 急傾斜地が多く、機械化&大規模生産が困難なため、作業が大 変。

○ 日本の2大果樹

 ■ 北部ではリンゴの生産が盛ん

 ■ 南部では柑橘(温州みかん)の生産が盛ん

2. 日本の果物の特徴 ○ 糖度が全体的に高い

 ■ 江戸時代には、果物を「水菓子」と呼んでいた。菓子=食事以外で食べる 軽食を意味する。

  現在の水菓子は、水ようかんのような和菓子やフルー ツゼリーを指す。

  ● 甘さゆえ、生食が好まれている。

 ■ 反対に、欧米では肉食中心の食事に果物が欠かせない(野菜代わり)。

  食事に適した甘さが好まれ、日本産のものより酸味が強い。加工用にも 利用されていた。

3. 栽培環境の特徴

○ 日本はモンスーン気候で、四季がある。

 ■ 温暖かつ降水量が多い→生育に向いている。

 ■ 梅雨・秋雨や台風→病害や落果が発生する。

  ● 雨よけ・風よけのためのビニールハウスを設置。

○ 各種果樹の栽培適地は、気温・降水量・風の強さ・日照量・地形によって決まる。

4. 環境にやさしい農業をするための工夫

○ 農薬には殺菌剤(病害の発生を防ぐ)と殺虫剤(虫害の発生を防ぐ)がある。

 ■ 日本の夏場の高温多湿な環境では、無農薬栽培では病虫害の発生を避 けられない。

  ● リンゴでは、慣行栽培と比較して3%しか穫れない。

  ● モモでは、慣行栽培と比較して30%しか穫れない。 ※農薬工業会(2017)

 ■ 健康に害を与えない散布量の基準が、厳しく定められている。

○ 農薬を減らす取り組み

 ■ ①雨よけビニールハウスの設置 大きな果物の木を覆うビニールハウスが必要。大規模な投資が必要にな る。

 ■ ②抵抗性品種や台木の利用 病気につよい特性を持つ品種を、接ぎ木等を行い合体させる。

 ■ ③天敵の利用 農薬の使用量を減らすことで、害虫の天敵となる益虫も増える。

 ■ ④性フェロモン剤の使用 フェロモンにより害虫のオスを混乱させ、メスにたどり着けず子孫を残せ ないようにする。人体や果物、環境への影響は一切ない。

 ■ ⑤果物への袋掛け 果物の実一つ一つに丁寧に、袋をかぶせて物理的に病虫害から守る。

 ■ ⑥誘が灯の設置 害虫をおびき寄せ、駆除するための灯り

○ 化学肥料を使わない

 ■ 有機肥料を活用することで、従来と同じ品質の果物が生産可能。

5. おいしい果物を作るための工夫

○ 土作り

 ■ 草生法(green mulches)

  ● 自然に任せ、下草をたくさん生やす栽培方法。年数回の刈り取り 作業が必要になるが、刈り取った草が肥料代わりになり、栄養豊 富な土ができる。

 ■ 細かな肥料管理

  ● 植物には17種類の必須元素がある。

  ● 生育ステージによって必要な元素(養分)が違い、木も人間と同様 に1本1本性格が違うため、それぞれの木に合った施肥管理をし ている。

 ■ 良質な土の見分け方⇒モグラの存在

  ● 天童観光果樹園では、地面にモグラの掘った穴が見られる。

  ● 農薬の使用を抑えることで、モグラの餌となる昆虫やミミズが土の 中に増える。

○ 摘花・摘果(花や実の間引き) ならす実の数を減らすことで、残った実に栄養分を集中させる。

 ■ 隔年結果(alternate bearing)

  ● 果物は1年ごとに、たくさん実がなる年(表年)と少ししか実がなら ない年(裏年)が交互に来る。

  ● 毎年おいしい果物を安定的に生産するには、摘花・摘果により実 のつく量を調節することが必要。

 ■ サクランボ

  ● 100個の花に対して、3つの実をならせる(実の数を、本来の3%ま で減らす)。 ● これにより、大玉で甘いサクランボを生産できる。

 ■ ブドウ

  ● 巨峰やシャインマスカットなど大粒ブドウでは、1つの枝に2房のブ ドウができるが、このうち1房だけを残す。さらに1房に300個くらい の花が咲くが、このうち30個だけ残して30粒の大粒ブドウにする( 1房に付く粒の数を10分の1にする)。

  ● 小粒ブドウでは、4房のうち2房を残す(房の数を半分に減らす)。

 ■ リンゴ

  ● 1つの樹に2万個の花ができるが、このうち500個の花だけを残す (実の数を、本来の2.5%まで減らす)。

  ● 1つの実に対する葉の枚数を増やすことで、糖度を上げられる。

○ 「葉とらず栽培」は糖度を上げられるが、実が太陽に当た りにくくなるため、色づきにムラがでる。

○ 天童観光果樹園では実を太陽に当てるため、葉をもぎとる。その代わり、通常よりも多く摘果し、きれいな赤色かつ 糖度の高いリンゴを生産している。 その分収穫量は大きく減り、手間も増えている。

○ 通常は、葉50枚に対してリンゴ1個。天童観光果樹園で は、葉70枚に対してリンゴ1個。

○ 剪定

 ■ 冬の雪が積もる中でも作業をしている。

 ■ 摘花・摘果と同様、良質な果物を作るために必要な作業。

 ■ 樹形は、植物の体内での栄養循環にも関わる。 数年間の剪定を経て、理想の樹形を作り上げている。

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